写真は岩上に育つヤマコスギゴケ Pogonatum urnigerum です。 厚みを持った葉の色とツヤは多肉植物のようでもあります。
乾くと葉は茎に接着します(上の写真)。 上の写真の上のように、枝分かれしているものもあります。
上は背面から撮った葉です。 上の葉の長さは6mmほどですが、平凡社の図鑑では葉の長さは4~7mmとなっています。 葉縁には鋸歯があります。
上は葉の断面です。 深度合成していますので、手前の細胞と奥の細胞が重なり、薄板がいくつの細胞の高さかなどは分からなくなっていますが、端細胞のパピラの存在はよく分かります。
薄板は4~6細胞の高さがあります。 端細胞の上縁の細胞壁の厚さは細胞内腔よりは薄く、パピラがあります。 この端細胞のつくりが葉の表面のツヤにも影響しているのかもしれません。
(2019.9.14. 北八ヶ岳)
◎ ヤマコスギゴケはこちらにも載せています。
端細胞にパピラを持つスギゴケの仲間は、本種の他にもミヤマスギゴケ、セイタカスギゴケ、ケスジスギゴケがありますが、次のような違いがあります。
- ミヤマスギゴケの葉はもっと細長く、端細胞上縁の細胞壁は細胞内腔と同じくらいの厚さになります 。
- セイタカスギゴケはずっと大型で、葉は乾くと著しく巻縮します。
- ケスジスギゴケは全体が小さく、横断面で端細胞は方形~横長の矩形です。
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