セイタカスギゴケ Pogonatum japonicum は亜高山帯針葉樹林の林床に大きな群落を作ります。
茎は高さ8~20cmになる大型のコスギゴケの仲間です。 茎の高さに比較すると蒴柄はそんなに長くはならず、それでも長さは 1.5~3.0cmあります。
コスギゴケの仲間の多くの種と同様、葉は乾くと上のように著しく巻縮します。
葉の長さは 10~18mmです。
上は葉の断面です。 薄板は低く、高さは(2~)3~4(~5)細胞です。 上の写真では切片が厚すぎて不明瞭気味ですが、端細胞はしばしば2個に分裂します。
薄板の端細胞の表面には、上の写真のようにパピラが見られます。
上は蓋の取れた蒴口を拡大したものです。 U字型の繊維状の細胞からなる32本の蒴歯が口膜を囲んでいます。
(2016.7.20. 北八ヶ岳)
◎ 本種は雌雄異株で、上記の観察は雌株で行っています。 雄株の様子はこちらに載せています。