樹幹についていた上の写真のコケ、撮っている時はたくさん無性芽をつけたコモチフタマタゴケ Metzgeria temperata だと思っていたのですが、無性芽のように見えたものの中には、かなりのコクサリゴケ Lejeunea ulicina が混じっていました。
コモチフタマタゴケの無性芽とコクサリゴケの葉の大きさはよく似ています。
上の写真の上と右がコモチフタマタゴケの無性芽で、左下から中央に伸びているのがコクサリゴケです。 無性芽と葉の大きさは似ていますが、細胞の大きさはかなり異なるようです。
コクサリゴケはこちらやこちらに載せていますが、以下にもう少し載せておきます。
上は腹面から撮っています。 背片は離在し、腹片は背片の2/3以上の長さがあり、面積も背片の1/2ほどあります。 腹片の第1歯牙は楕円形の単細胞です。 腹葉は茎の 1.5倍幅で、先端は1/2までV字型に2裂しています。
上は背面から撮っています。 多くの葉の基部には1個の眼点細胞があります。
上は葉身細胞です。 トリゴンは小さく、油体は各細胞に2~3個見られます。 平凡社の図鑑では油体は楕円体で微粒の集合とありますが、球体のように見えます。
(2020.11.8. 六甲山)
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