濃い緑色をした写真のコケ、以下の観察結果からジャバウルシゴケ Jubula hutchinsiae ssp. javanica だろうと思います。
あちこちに花被をつけていました(上の写真の黄色の円内)。 この花被に保護されていた胞子体が伸びだし、蒴が開裂している様子はこちらに載せています。
育っていたのは散策路脇の石の上です(上の写真)。
上は育っていた時に近い状態で、上段は腹面から、下段は背面から撮っています。 葉上に見られる小さな白点は細かい砂粒です。 これを湿らせると・・・
湿ると緑色が薄れ、褐色がめだつようになります。 なぜこのように色が変化するのでしょうね。 なお、上の写真では枝分かれがたくさんあるように見えますが、撮影の後でよく見ると、多くは重なってくっつきあっている茎でした。 乾き気味の時には固くくっつきあっていましたが、湿らせると緩んできて、そのことが分かりました。
上は腹面から深度合成した写真です。 湿った状態から乾きかけてきて、背片が少し腹側に曲がってきていますが、緑色や褐色のグラデーションがおもしろい写真となりました。
下は上から 800mほど離れた所の、やはり岩上にあったジャバウルシゴケです。
上のの群落は光合成を行っている植物体の密度が低く、そのためか・・・
ほとんどの腹片は円筒形ではなく、細長い三角形です。
しかし、わずかですが、上のような円筒形の腹片もありました。
上は葉身細胞です。 油体は楕円体ですが、所々眼点をもった油体があるようです。
(2021.2.1. 箕面国定公園)
◎ これまでにこのブログに載せてきたジャバウルシゴケを比較しても、植物体の混み合った群落(こちら)では腹片の多くは円筒形で、植物体のまばらな群落(こちら)の腹片は細い三角形が多くなっています。 もう少し観察例を増やし、腹片の形がどのような要因に影響されるのかを探ってみたいと思います。
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