小さな渓谷の、水際の岩上に育っていた写真のコケ、平凡社の検索表をたどると、オオツボミゴケ Solenostoma radicellosum になりました。
この時期の花被は稜のある三角錐です
上は花被の縦断面です。 ペリギニウムが発達し、最内側の雌苞葉は明らかに造卵器より上についています。
上は植物体を横から撮っていて、上が腹面、下が背面です。 腹葉は無く、茎の腹面には仮根の束がついています。 仮根の束は、上の写真では茎の腹側が木化したようにも見えますが・・・
上は茎の横断面で、中央の円い所が茎で、写真の上が背面、下が腹面です。 茎から右上と左上に伸びているのが葉で、茎の腹面の赤い四角内の褐色の部分が仮根の束です。
下は上の赤い四角の部分の拡大です。
上の写真のように拡大すると、仮根の束であったことが、はっきりと確認できます。
上の2枚は背面から撮っています。 茎の幅は葉を含めて約2.5mmです。 この仲間の同定にはこの幅が関係することもあるので、2枚載せておきました。
上の2枚は葉です。 仮根が葉の基部から出ています。 平凡社の図鑑の検索表では、葉の幅と高さのどちらが長いかが重要になってきます。 オオツボミゴケなら、葉の形が腎臓形で、幅が長さより広い方を選ぶことになるのですが・・・
葉の幅や高さは、どこをどのように測るのでしょうか。
私は葉の背縁基部と腹縁基部に接する線分を基準に、上のように測るのではないかと思います。 この測り方で良いのなら、明らかに高さより幅の方が広くなります。
上は葉縁付近の細胞です。
上は葉身細胞です。
(2024.7.21. 京都市西京区大原野)
◎ オオツボミゴケはこちらにも載せています。
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