2024-07-28

タチヒラゴケ

 石灰岩上に育っていた上の写真のコケ、タチヒラゴケ Homaliadelphus targionianus かと思ったのですが、以前に見たものより明るい色で、より光沢があるように思ったので、持ち帰り、調べました。

 一次茎は基物上を這い、二次茎は長さ2cm前後で、少数の枝を出しています。(背景は1㎜方眼です。)

 二次茎の幅は葉を含めて約2mmです。 葉は扁平について密に重なっています。

 上は葉で、ほぼ全縁です。 Homaliadelphus(タチヒラゴケ属)の葉は、基部の後ろの縁が小舌片となり、耳状に内側に折れ曲がるのが特徴です。 上の葉もそのようになっていますが、これまでに見たもの(こちらこちら)に比較すると、とても小さな小舌片です。 そして下の写真の葉には小舌片がありません。

 内側に折れ曲がる小舌片があるのは、ヒラゴケ科の中にはみつかりません(タチヒラゴケ属はミヤベゴケ科に移されています)。 小舌片が無い葉があることよりも、小舌片がある葉があることを、つまり他には見られない特徴を重視すべきでしょう。

 上部の葉縁近くの細胞は小さく、方形~矩形です(上の写真)。

 葉身細胞は長さ 10~40μm、厚壁で楕円形です(上の写真)。

(2024.7.21. 京都市西京区大原野)

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