2015-09-22
フルノコゴケ
上は樹幹についていたフルノコゴケ( Trocholejeunea sandvicensis )で、乾いています。
フルノコゴケは湿ると葉を大きく広げます。 上の写真は左が乾いた状態で、右が湿った状態です。
上は湿った状態のフルノコゴケです。 中央やや右寄りと下中央の黄色の矢印の所には、10筋の稜のある花被がついています。
上は湿った状態のフルノコゴケを腹面から撮ったものです。 円形で全縁の腹葉が並んでいます。 葉(側葉)の腹片は存在するのですが、写真のように葉は湿ると背方に偏向しますので、腹片の存在は上の写真からは確認できません。
上は葉を1枚はがして腹片を撮ったものです。 腹片の長さは背片の1/2~1/3で、半円形をしており、上半分の縁にやや不明瞭な低い歯を3~5個つけています。
上は葉身細胞を撮ったものです。 油体は楕円体で、各細胞に30~35個見られます。
写真は油体がよく分かるようにピントを調節しましたので、トリゴンはピントがずれているのですが、下中央の赤い円内のトリゴンの様子は比較的よく分かります。 トリゴンは2辺で膨れ、1辺で凹んでいます。
(2015.9.13. 京都市 宝が池公園)
(以下、10月24日追記)
10月18日、上と同じ宝が池公園で、上の3枚目の写真で示した花被から蒴が出ていました。 蒴は4裂して既に胞子を飛ばした後で、その内側には糸状の弾糸が見えます。
3枚の写真のうち、上2枚は乾いた状態で同じ蒴を方向を変えて、3枚目は別の蒴を濡れた状態で撮りました。
◎ 新鮮な、胞子を出している蒴の写真をこちらに載せています。