ここで使う写真はカナダで撮ったものですが、書いてある内容は日本でも同じことですので、「そよ風に乗って」ではなく、こちらに書くことにします。
動物では体内の古い細胞は分解され、新しい細胞に置き換えられます。 ところが樹木では、葉は新しい葉に置き換えられますが、葉を支える枝や幹では、古い細胞は死んでもそのままにされ、新しい細胞をその外側に付け加えていきます。 つまり木が生き続けるには太り続け伸び続けなければなりません。 しかし葉を支える枝や幹の細胞は、光合成つまり生産は行わず、呼吸つまり消費のみを行う細胞です。 したがって、長年生き続けている木は次第に消費が増え、生産と消費のバランスが崩れて生きていくことができなくなります。 つまり木にも寿命があります。
弱って根の勢いが衰えた木は倒れます。 倒れた木は腐ります。 朽木はスカスカになり保水力が高まります。 その上にコケが生えればさらに保水力は高まります。 そして上を見上げれば、その木が葉を茂らせていた所は大きく開いていて、陽光が差し込みます。 陽の当たる保水力のある場所は植物が育つのに適した場所になります。 そこに落ちる種子は、極相林(ここでは「落ち着いた林」と理解してください)であれば、倒れた木と同種の種子である確率もかなり高くなるでしょう。 また朽木に生えるコケは落ちてきた種子を保持することにも役立ちます。
つまり倒れた木は同種の幼木が育つ絶好の場所となります。 このようにして林は世代交代しながらも極相林を維持していくことができます。 このように倒木が林を更新していく現象を「倒木更新」と呼んでいます。
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