2016-07-28

オオコケシノブ?


 上はオオコケシノブ Hymenophyllum badium ではないかと思います。 2016.7.20.に北八ヶ岳で撮りました。 本種の分布は伊豆半島以西の常緑樹林内とされていて、このような針葉樹林帯には存在しないはずなのですが、下に書くように胞子のう床が塊状で、これは本種の最大の特徴だと思います。 植物体の大きさも本種の本来の大きさよりかなり小さいのですが、どうにか生きている状況ではないかと思います。


 葉の裏面の軸上に密生した毛はみつかりません。 上の写真で画面ほぼ中央に1本毛のようなものが見えますが、これも糸くずです。


 上は葉の先についていた若い胞子嚢群です。 2弁状の包膜は全縁~少し波打っています。 上の写真のように胞子のう床は塊状で、大きな場合は横に広がっています。 ホソバコケシノブなどでは胞子のう床は棒状で、包膜から外に伸び出していますし、包膜の切れ込みも上ほど大きくないように思います(こちら)。
 上の写真でも、うっすらと環帯の存在が分かりますが・・・


 上は1つの胞子嚢を撮った写真です。 細胞が区別できるところまで拡大すると、できかけの環帯もどうにか分かります。 プレパラート作成時に押しつぶしていますので、左上には四角錐の形をした未完成の胞子が出てきています。

◎ 同じ場所で撮った、上より成熟の進んだ胞子嚢の様子をこちらに載せています。


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