ホウオウゴケ Fissidens nobilis の植物体全体の様子はこちらやこちらなどを見ていただくことにして・・・
上の写真には、ホウオウゴケの葉の上翼、腹翼、背翼が写っていますが、ホウオウゴケの葉を光学顕微鏡で(=透過光で)観察すると、そのいずれもが上の写真のように暗く縁取られています。 その理由を理解するために、赤い線で示したような断面を作ったのが下です。
上の写真は左が背翼の、右が腹翼の断面です。 背翼の縁も腹翼の縁も膨れています。
上は腹翼です。 腹翼は所々でマミラが見られる1細胞層ですが、縁は2細胞層で厚壁の細胞からなっています。 このようなつくりのために、透過光下では暗く縁取られて見えるのでしょう。
上は背翼です。 背翼は1~2細胞層ですが、やはり縁は厚壁の細胞のために厚くなり、光を通しにくくなっているのでしょう。
中肋付近の断面も上に載せておきます。 中肋から右に伸びる腹翼は1細胞層ですが、左に伸びる背翼は2細胞層です。
(2017.10.4. 奈良県 川上村)
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