2018-05-16

ハルジオンとヒメジョオン

 Part1の2014.5.31.からの引っ越し記事です。 引っ越しにあたって、基本的に文は変更していませんが、学名を付け加えました。
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 ハルジオンとヒメジョオンは、同じ属( Erigeron )に分類されている植物で、とてもよく似ています。 両者の比較はあちこちに載せられていますが、このブログでも取り上げておきます。
 ハルジオン E. philadelphicus もヒメジョオン E. annuus も北アメリカ原産の帰化植物で、ハルジオンは大正時代の中頃に観賞用に日本に導入されたものが逃げて広がったと言われています。 またヒメジョオンは江戸時代の終わり頃にやはり観賞用に日本に導入され、明治時代には雑草となっていました。
 名前は、ハルジオンを漢字で書くと「春紫菀」で、秋に咲くシオンに対しての名前でしょう。 また、ヒメジョオンを漢字で書くと「姫女菀」です。 この漢字を読むわけですから、「ハルジョオン」や「ヒメジオン」は誤りです。
 花の時期は、ヒメジョオンの方が長いのですが、ハルジオンの方が少し早くに咲きはじめます。 年や場所で違いはありますが、今年の大阪では、ハルジオンは5月中旬にはたくさんの花が咲いていて、ヒメジョオンが咲き始めたのは5月下旬でした。


 上はハルジオンです。 ハルジオンもヒメジョオンもキク科なので、1つの花に見えるのはたくさんの花の集まり、つまり頭花と呼ばれる花序で、周辺にはたくさんの舌状花があり、中心部の黄色く見える所にはたくさんの筒状花があるのですが、ここではあえてこの頭花を「花」と書くことにします。
 ハルジオンの花はピンク系統の色が付き、ヒメジョオンの花は白いという傾向はあるのですが、ほとんど白色の花のハルジオンもあります。 上の写真の右手前の白い花もハルジオンです。


 上はヒメジョオンです。 ハルジオンの蕾は垂れ、ヒメジョオンの蕾は上を向くとよく言われます。 たしかにそのような傾向はあるのですが、上の写真の中央のヒメジョオンの蕾は垂れています。 蕾をつけて生長中の茎は柔らかく、少し乾燥が進むと垂れてしまうようです。
 両者の花を比較すると、ハルジオンの花の方が少し大きい傾向があり、舌状花は細くて数が多いのですが、その違いは微妙です。
 また、両者の高さを比較すると、ヒメジョオンの方が高くなれるのですが、もちろん小さなヒメジョオンもあります。

 以上、ヒメジョオンとハルジオンのいろんな微妙な違いを書きました。 慣れれば、これらの違いを総体的に見て区別できるのですが、もう少し確実に区別する方法があります。 それには目を奪われがちな花とは別の所を見る必要があります。


 上はハルジオンの茎の葉の付いている場所の縦断面で、下はヒメジョオンの同じ場所の縦断面です。 この写真のように、ハルジオンの茎は中空ですが、ヒメジオンの茎の内部は柔らかい髄で満たされています。 ここではその違いがず~っと続いていることを示すために縦断面を載せましたが、両者を区別するには無理して縦断面を作る必要はありません。 横断面で十分区別できます。
 もうひとつの違いは、葉の付き方です。 ハルジオンの葉の茎につく基部が広がっています。(よく「葉が茎を抱く」と表現されます。) ヒメジョオンではそのようなことはありません。


 ハルジオンは 2014.5.18.に、ヒメジョオンは 2014.5.22.に、いずれも堺自然ふれあいの森で撮影しました。


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