2018-05-12

ナベワリ



 ナベワリ Croomia heterosepala は一見双子葉類のような葉ですが、単子葉植物で、数本の並行脈が走っています。
 花は4~5月に葉腋から出て垂れ下がります。 葉の陰に咲く緑色の花ですから、ほんとうに地味な花で、花の径も 1.5cmほどの小さな花ですが、なかなか非凡な花形になっています。 花被が4枚というのも単子葉植物にしては珍しいつくりですが、そのうちの1枚が特に大きくなっています。


 上は花の中央部の拡大です。 オシベは4本、上の写真の赤褐色の部分が葯で、そこから出された黄色い花粉がお団子状態に集まっています。 種子はできるので、メシベもあるはずですが、オシベと花粉に隠されてしまっています。
 この花、どのようにして受粉するのでしょうね。 花粉媒介する虫たちは、花の横から、つまりオシベとオシベの隙間から潜り込むのでしょうか。

 有毒植物で、和名の由来は「舐め割り」の変化したもの、つまり舐めると舌が割れるという伝承によるとも言われていますが、硬いものが「割れる」のであって、柔らかい舌が割れるというのは、私には納得できません。

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