6月9日、山本好和先生を講師にお招きし、堺自然ふれあいの森で地衣類の観察会が行われました。 トゲハクテンゴケはそこで観察した地衣類の1つです。
地衣類は生育形から葉状地衣、痂状地衣(痂(か)はかさぶたのこと)、樹状地衣に大別できます。 トゲハクテンゴケ Punctelia rudecta は葉状地衣の1種で、地衣体の大きさはウメノキゴケとほぼ同じような大きさにまでなることもありますが、裂片の幅は狭く、ウメノキゴケのそれのおよそ半分ほどです。
下は上の赤い四角で囲った部分の拡大です。
あちこちに白点が散らばっています。 和名の「ハクテン」はこれに由来しているのでしょう。 この白点は「擬盃点」と呼ばれています。 前に地衣体の断面を載せましたが(こちら)、擬盃点では、このうちの上皮層と藻類層が無く、髄層が表面に出てきているために白く見えるようです。
上の写真では、白点以外に、刺状~疣(いぼ)状のものもたくさん写っています。 これは「裂芽」と呼ばれているもので、下はその拡大です(実体双眼顕微鏡で撮影しています)。
裂芽は擬盃点から生じます。 裂芽の先端の褐色になっている部分は「粉子器」で、このように裂芽の先に粉子器が生じる種はとても珍しいということです。
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