2018-08-22

ヤマノイモ

 Part1の 2013.8.21.からの引っ越し記事です。(一部加筆訂正しています。)
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 ヤマノイモ Dioscorea japonica は、ジネンジョ(自然薯)、ヤマイモ(山芋)などとも呼ばれ、栽培もされています。(長芋は同じヤマノイモ科ヤマノイモ属の植物ですが、中国原産の別種です。)
 これまで、オニドコロヒメドコロカエデドコロなどのヤマノイモ科の植物について書いてきましたが、ヤマノイモについてはまだ載せていませんでした。 ヤマノイモも今が花の時期です。


 ヤマノイモの葉は対生です。 ヤマノイモも雌雄異株で、上は雄株です。 雄花序は上方に伸びます。


 上はヤマノイモの雄花です。3枚の白いガク片の内側に、少し小さい3枚の白い花弁が見えます。 雄花はもうこれ以上は開きません。 甘いにおいで虫を誘い、花弁の細い隙間から出入りできるアザミウマ(注1)などの小さな虫によって花粉媒介が行われているようです。


 雄花の内部を確認するために、手前のガク片2枚を除去し、花弁1枚を押し下げたのが上の写真です。 緑色のオシベからは、ちゃんと花粉が出ています。 花弁はかなりの厚さで、内部をしっかりガードしているようです。


 写真を撮り始めてすぐに、シベリアカタアリが蜜を求めてやってきました(上の写真)。 ヤマノイモの花の蜜は、虫たちにとっては、なかなか魅力的な蜜のようですが、ヤマノイモはほんの一部の虫にしかその蜜を飲むことを許していないようです。 だから虫たちは花を外からかじるのでしょう。 ヤマノイモの雄花序を見ると、1枚目の写真の茶色く見えている部分のように、かじられた花がたくさんあります。


 上はヤマノイモの雌株です。 ヤマノイモの雌花序も、他のヤマノイモ属の植物同様、下垂します。


 上はヤマノイモの雌花です。 ヤマノイモでは雌花もそんなに開きません。


 上はヤマノイモの雌花を正面から撮ったものです。 雄花同様、3枚の白いガク片の内側に3枚の白い花弁があります。 雄花よりはよく開いていますが、いちばん開いた状態でこの程度です。 内側には枝分かれしたメシベの柱頭が見えます。 またピントは合っていませんが、退化したオシベも写っています。


 上は9月中旬に撮ったヤマノイモの雌株です。 ヤマノイモはむかごを作ります。 ヤマノイモのむかごは芽が栄養分を貯め込んで肥大化したもので、これが落ちると、そこから新たなヤマノイモが生じます。 上のむかごは少し根を出しはじめています。
 上の写真でもうひとつ注目したいのは、果実の向きです。 これまで書いてきたように、多くのヤマノイモ属では、雌花は最初ほぼ横向きに咲き、子房が発達しはじめると上を向きます。 ところがヤマノイモでは、果実になっても下を向いたままです。

(撮影日は最後の1枚を除いて 2013.8.18. 撮影場所は全て堺自然ふれあいの森)

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