2019-12-11

コゴケ属の一種とツチノウエノハリゴケ

 笠井氏に案内していただいた田にあった下の写真のコケ、ツチノウエノハリゴケだろうと載せたのですが・・・


 残念ながら胞子体はみつかりませんでした。


 葉の長さは1~1.5mmほどで、乾くと巻き込んできます。


 上は大小2枚の葉ではなく、小さいのは葉の欠片で、葉を剥がす時についてきてしまいました。 この大きさになると、ピンセットでの操作も思うようにいきません。 葉は線状披針形です。


 上は葉先付近を背面から撮っています。 中肋は線形の細胞からなり、葉の背面に張り出して先端は葉先から飛び出しています。


 上は葉の中央部~上部の葉身細胞です。 細胞は方形~広楕円形で、各細胞には数個の背の低い小さなパピラがあります。

(以上の写真は、2019.11.21.に滋賀県高島市で採集したものです。)


 この記事を見ていただいた笠井氏から、上に載せたものは、蒴も無く、これだけでは種名までは無理だが、コゴケ属の一種(Weissia sp. ) だろうとの連絡をいただきました。(日本産のコゴケ属は9種ほどが知られています。)
 そして、同じ場所で採集されたツチノウエノハリゴケの写真を送っていただいたうえ、加工して公開用に使っても良いとの許可までいただきました。




 上の3枚が、笠井氏に送っていただいたツチノウエノハリゴケ Uleobryum naganoi の6枚の写真のうちの3枚(1枚の葉、葉先付近、葉の中央部から少し上)を、このブログにいつも載せている形に加工したものです。
 私の撮ったコゴケ属の一種と比較すると、ルーペレベルではとてもよく似ているのですが、顕微鏡で葉の細胞を比較すると、大きくはっきりしたパピラがありますし、葉先の様子も少し異なるようです。
 なお、ツチノウエノハリゴケの蒴は茎頂につき,球形で、蒴柄はほとんどありません(こちら)。

(最終校正:2019.12.12.)


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