蘚類の
カゲロウゴケに絡まったような橙色の円盤状のもの、断面を作ってみると・・・
断面を作って顕微鏡で観察するとチャワンタケの仲間の子嚢盤でした。 子嚢盤(apothecium)とは子嚢菌が作る子嚢果のうち、子実層が裸出しているものを言いますが、上の写真でも子実層にたくさんの子嚢が並んでいて、一部は切断時にあちこち飛び散っています。
チャワンタケ綱(Pezizomycetes)のなかには
Octospora属の一種など、蘚類に寄生するものが知られています。 写真の様子からすると、この場合も蘚類に寄生していたチャワンタケの仲間の子嚢盤だったのかもしれません。
上は子実層の拡大です。 子嚢胞子を一列に並べて入れた子嚢の間には、たくさんの側糸も見えます。
上は切片作成時に飛び散った子嚢(ascus)で、8個の子嚢胞子(ascospore)が縦に並んでいます。 子嚢菌(Ascomycota)では、子嚢母細胞が減数分裂に続いて体細胞分裂を1回行い、8個の子嚢胞子が形成されることが普通です。
(2019.11.21. 滋賀県高島市)
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