2020-05-13

4月のエダツヤゴケ



 コブラが鎌首をもたげたような上の写真のコケ、朽木上で育っていました。 教えていただいて、同じような写真をこちらに載せていたことに気づきました。
 エダツヤゴケ Entodon flavescens は春に新しく伸びる茎は上に伸び、そこから枝を左右に広げて重くなるにしたがって次第に倒れていくようです。 結果として古い枝葉の上に新しい枝葉を展開することになり、その“新しい工場”で盛んに光合成を行うのでしょう。 結果として本種の年を経た群落は厚みを持つことになります。


 上の8mmの目盛より右が、この春に伸び出た茎で、8mmの目盛より左ではたくさんの枝が出て、それらの枝からはさらに小枝が出ています。 このような密に枝分かれする様子は本種の特徴の1つで、和名もそこに由来するのでしょう。
 このような伸び方の結果として・・・



 本種の茎葉と枝葉を比較すると、茎葉は大きく、枝につく葉は小さく、小枝につく葉はもっと小さくなり、大きさだけではなく形も異なります。 これも本種の特徴の1つです。
 上の2枚の写真は、1枚目が茎葉で、2枚目が枝葉です。倍率は同じにしてあります。


 上は茎葉の翼部です。 翼部には多数の細胞が格子状に並んでいます。 これは Entodon(ツヤゴケ属)の特徴の1つです。


 上は茎葉の葉身細胞です。 平凡社の図鑑の記載とは少し異なるのですが、細胞の形はともかく、特に線形の細胞の長さには変異があるように思います。


 茎の断面も観察しましたので載せておきます(上の写真)。


0 件のコメント: