写真はシノブヒバゴケ Hylocomiastrum himalayanum でしょう。 道の脇に育っていました。
本種は茎の途中から毎年新しい枝を出して階段状に育って行きます。 上の写真では細かく分かれた枝に隠されて茎が分かりにくいので、茎を1年ごとに色分けしたものを下に載せておきます。
上の姿になるのに4年かかっていることになります。
拡大すると茎葉と枝葉の違いが見えてきます。 茎にも枝にも毛葉がびっしりとついていて、その毛葉が葉の間から見えています。
茎葉の長さは 1.5~2mmです。
上は茎葉で、基部はやや下延しています。 本種と同属のヒヨクゴケは、ルーペレベルではとてもよく似ているようです。 本種の中肋が1本であるのに対し、ヒヨクゴケの中肋は2本なのですが、葉の縦じわと中肋が紛らわしく、何枚かの茎葉を見ても、縦じわと中肋を明瞭に区別できる写真は撮れませんでした。 ただ、ヒヨクゴケの茎葉の葉先は、もうすこし長く延びているようです。
葉縁には全周に細かい歯があります。 上は茎葉の基部を撮った写真ですが、歯が確認できます。
葉身細胞の長さは 40~50μmです(上の写真)。
上は枝葉(2枚)と、右上は毛葉です。 枝葉の大きさは枝の先に向かうにつれて小さくスリムになっていきます。 歯は茎葉より枝葉の方がよく目立ちます。
毛葉は枝分かれが多く、多くは1~2細胞列なのですが、なかには上のような毛葉もありました。
(2020.11.26. 奈良県 上北山村)
◎ シノブヒバゴケはこちらにも載せています。
0 件のコメント:
コメントを投稿