2021-07-16

コマクサ

 

 上の写真、ガスがかかっていてすっきりしないのが残念ですが、ピンクに見えているのは全てコマクサ Dicentra peregrina の花です。

 育っていたのは、噴火でできた上のような砂礫地です。 砂礫地は水が下に流れてしまって乾燥し易く、また強い風が吹けば地表が攪乱されます。 コマクサは多くの植物にとって育ちやすい環境では競争に負けてしまって育たないのですが、このような多くの植物が育つことのできない劣悪な環境に耐える事ができます。 コマクサは地上に見える姿からは想像できないほど、根を発達させ、劣悪な環境に耐えています。(その根の様子を写真で示すことができないのが残念ですが・・・。)

 コマクサはケシ科に分類されています。 ガク片は2枚あるのですが、花弁とよく似た色で小さいため、ほとんど目立ちません。 花弁は4枚で、外側の2枚は花弁の下部(茎に近い所)が大きく膨らみ、先は反り返ります。 内側の2枚の花弁はメシベやオシベを保護するように包み込んでいて、虫が蜜を求めて花弁の間に入り込もうとするとメシベとオシベが現れるしくみになっています。

 和名の「コマ」は「駒」つまり馬で、花が馬の顔に似ているからと言われていますが、咲いた花より、外側の花弁がまだ開いていないツボミの状態の方が、私には馬の顔に似ているように思います。 上の写真の中央がちょうどそのようなツボミで、上から見下ろした馬の顔によく似ていると思います。

(2021.7.8. 秋田駒ケ岳)

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