林縁で育っていた写真のコケ、開けた所に育つツチノウエノコゴケとは少し違うように思いました。 蒴も帽のあるものから蒴歯のあるものまで揃っていて、調べるには最も良い時期ですので、調べてみることにしました。 結果はツチノウエノカタゴケ Weissia planifolia ではないかと思います。
上の写真で、葉は1~2mm、蒴柄は黄色で、長さ6.5mm、蒴は長さ1mm、幅 0.4mmで、ツチノウエノコゴケより色が濃いように思います。 蓋は長さ 0.8mmで、しばしば上の写真のように帽にくっついたまま外れました。
上の写真は乾きかけていて、葉は捲縮し始めています。
葉は披針形です(上の写真)。 一部の葉縁は内側に巻いています。
中肋は葉先から短く突出しています(上の写真)。
葉の基部の細胞は細長い長方形で、鞘部の細胞はより大きく、膨らんでいます(上の写真)。
葉身細胞は5~8㎛で、多くのパピラがあります。
上は葉の横断面で、ステライドは背腹両面にあります。 葉縁は立っています。
上は大部分の葉を取り除いた茎です。 葉腋毛は3~4細胞からなっています。
上は茎の断面です。 あまりはっきりしませんが、中心束は存在するようです。
上の写真で中央の蓋は上の蒴の蓋です。 最初から2枚目の写真の所で書いたように、蓋と帽がくっついたものが多かったので、帽だけの写真の代わりに一緒に写しました。
蓋の嘴はやや曲がっています。 乾燥した蒴にはわずかに凹凸があります。
蒴歯は舌形で長さは 90~100μm、パピラが密生しています(上の写真)。
上は胞子です。
(2023.2.8. 兵庫県三田市)
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