上の写真(2023.6.24. 北八ヶ岳にて撮影)、苔類はコオイゴケですが、蘚類はオオキンシゴケ Ditrichum crispatissimum だと思います。 今回は後者の観察記録ですが、このコケ、樋口・古木(2018)の「八ヶ岳の蘚苔類チェックリスト」にはあるのですが、平凡社の検索表にあるのみで、どういうわけか、野口もありませんし、検索してもヒットしません。 JSTORを見ると、D. gracile (これも野口にも無し)のシノニムになっています。
茎の長さは7cmに達しています。
観察していると、葉がどんどん落ちてきます。 落ちた葉で栄養体生殖を行っているようです。
葉は卵形の鞘部から急に細くなり、長さは約7mm、葉身は大部分が中肋に占められています。
葉先は中肋が突出しており、平滑または上の写真のように小さな歯が見られる場合もあります。
上は葉の中部です。 葉は溝状になっていて、葉縁には矩形の細胞が並んでいます。
葉鞘部では中肋の左右に透明で大きな細胞が見られます。 この細胞は、多くの葉ではほんの少しなのですが、上の写真の葉では比較的大きな面積を占めていました。 この細胞を拡大すると・・・
上の写真(グレースケールに変換しています)のように細胞壁にくびれが見られました。
上の写真は葉の横断面で、下が葉鞘部の、上は葉の中部の断面です。
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