写真はの田の溝に咲いていたミズオオバコ(
Ottelia alismoides )です。 ミズオオバコはトチカガミ科に分類されている水草で、かつてはよく見られた水田雑草でしたが、稲作の方法が変わったためか、とても少なくなってしまいました。 水の増減や水流の有無など変化の大きい水域の環境に適応するためか、葉形や花のつき方など、個体変異も環境による変異も大きいミズオオバコですが、適応能力を超える生育環境の変化があったようです。 しかし種子は土壌中にシードバンクを形成するようで、生育できる環境が整った場合には、思わぬ所で花を見るケースも期待できるようです。 なお、ミズオオバコは日本では1年生の草本ですが、熱帯地方では多年生草本のようです。
花は一日花で、ガク片3(上の写真には写っていません)、花弁3、オシベ6、花柱3(オシベより太い)で、子房は縮れたひれのある苞葉に包み込まれています。
花後は水中に沈み、果実は水中で熟し、熟すと苞葉から離れて水面に浮かび上がります。 溶けはじめた果実から出た粘液に包まれた種子は、しばらく浮遊して分布を広げた後に水底に沈みます。
この果実や種子の様子を撮ろうと10月11日に行ってみたのですが、花のあった溝はきれいに整えられていて、ミズオオバコの姿は消えていました。
(花は2015.9.18.に堺市南区畑で撮影)
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