2018-01-02

ジンガサゴケの若い雌器托の断面


 石垣の隙間に育っていたジンガサゴケ Reboulia hemisphaerica subsp. orientalis、ジンガサゴケは雌雄同株で、別の枝に雌器托と雄器托をつけます。 上の写真の丸いものが雌器托で、黒褐色の小判型のものが雄器托です。 雄器托は色の濃いものがほとんどで、色の薄いものが少し混じっていますから、ほぼ精子を出し終える時期のようです。 ということは、雌器托の切片を作れば、造卵器の観察が期待できる時期です。


 上は雌器托のある葉状体を大きく撮ったもので、雌器托や葉状体の表面にある白っぽい小斑は気室孔です。


 上が雌器托の断面です。 雌器托の上部には気室がたくさん並んでおり、下部には造卵器が確認できます。


 上は気室の部分を拡大したものです。 ジンガサゴケの気室孔(気室と外とをつなぐ孔)はアーチ形です。 なお、ジンガサゴケの気室にはジャゴケの気室のような同化糸はありません。


 上は造卵器のある部分を拡大した部分です。 造卵器の頸がわずかに雌器托の外に出ているようです。

(2017.12.15. 堺自然ふれあいの森)

◎ ジンガサゴケの葉状体の特徴や雌器托の変化はこちらに、雄器托についてはこちらに載せています。


0 件のコメント: