2018-01-09

ヒメシノブゴケ



 写真はヒメシノブゴケ Thuidium cymbifolium でしょう。 自然を活かした公園の、谷筋に作られたせせらぎの近くにありました。 ヒメシノブゴケも生育環境によって印象が変わるようですが、この場所のものは、枝が絡み合ってとても密なマットを形成していました。


 上の写真は左がトヤマシノブゴケで、右がヒメシノブゴケです。 比較すると、ヒメシノブゴケの方が蒴柄も短く、枝も多く出て、全体がトヤマシノブゴケよりコンパクトな印象を受けます。 なお、ヒメシノブゴケの蒴柄の長さは、2cmほどでした。


 葉は場所によって、その大きさも形も上の写真のように大きく異なります。 茎葉はほぼ三角形で、下部には深い縦じわがあり、上部は細く長く伸びています。 枝葉はほぼ三角形のものから、枝が細くなるにつれて枝葉も小さくなり、卵形で鋭頭の葉になります。


 上は茎葉です。 細く伸びた葉先は透明尖となっています。 この倍率でも注意して見れば、葉身細胞には先の尖ったパピラが存在することが、なんとなく分かります。



 上の2枚は枝葉とその拡大です。枝葉の葉身細胞にも茎葉の葉身細胞にも先の尖ったパピラがあります。 ちなみに、トヤマシノブゴケの葉身細胞には、先が2~4に分かれた大きなパピラがあります。


 茎や枝にはたくさんの毛葉が見られます。 上の写真では、クモの糸が邪魔ですが、葉と葉の間にたくさんある細かい点のように見えているものが毛葉です。 なお写真は載せませんでしたが、毛葉の形態はトヤマシノブゴケのものによく似ていました。

(2018.1.4. 富田林市 錦織公園)

◎ ヒメシノブゴケはこちらにも載せています。


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