コツボゴケのつもりで写真を撮っていたのですが、葉形や葉身細胞の大きさなどから、もしかするとヤマトチョウチンゴケかもしれないと思うようになり、当初のタイトルは「ヤマトチョウチンゴケ?」としていました。 蘚類の専門家であるK氏にみてもらったところ、やはりコツボゴケ Plagiomnium acutum のようですので、タイトルを変更し、本文も少し変えました。
高野山の石碑の上で育っていた雪中のチョウチンゴケ科、蒴柄は長く、匍匐茎と直立茎があり、後に書くように葉縁の歯は単生ですので、ツルチョウチンゴケ属 Plagiomnium には間違いないと思うのですが・・・
地表を匍匐する茎から直立茎が出て、直立茎の上部から新しい匍匐茎が出ています。
上の直立茎の長さは3cmほどです。 写真は略しますが、苞葉の長さは6mmほどありました。
葉は葉先が鋭頭で、葉縁の歯は葉の上半部のみにあります(上の写真)。 このことから、写真の種はツボゴケ、コツボゴケ、ヤマトチョウチンゴケのいずれかでしょう。 葉は倒卵形で、葉先から1/3ほどの所が最も幅広くなっていますので、葉形からはヤマトチョウチンゴケ P. japonicum のようにも思われますが、それにしては少し小さいようですし、蒴柄はしばしば1茎に3本くらいつくという平凡社の記載のような傾向も見当たりません。
上の写真では中肋が葉先に届いていませんが、下は中肋が葉先に届いています。
平凡社の図鑑ではツボゴケやコツボゴケの中肋は葉先に届き、ヤマトチョウチンゴケの「中肋は葉先に届かない。」となっています。
葉身細胞の長さは葉の上部と下部で違っています。 上は葉の上部で、下は葉の下部です。
平凡社の図鑑によると、葉身細胞は六角形~横広の六角形で、長さは、コツボゴケは 20μm以下(ときに25μm)、ツボゴケは 15~30(~35)μm、ヤマトチョウチンゴケは30~50(~70)μmとなっています。
平凡社の図鑑によると、ヤマトチョウチンゴケの歯は2~3細胞からなる大型の鋭い歯となっていますが、多くの歯は上のように1細胞からなっているように見えます。
(撮影:2018.1.10.)
◎ コツボゴケはこちらにも載せています。
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