岩上で育っていた写真のコケは・・・
葉は枝に接していますが、細い枝先では葉は枝に圧着せず、扁平ぎみについています。 大きな葉の長さは 1.5mm以上あります。
全体の様子からアオギヌゴケ属だろうと思うのですが、茎と枝がはっきりしません。 アオギヌゴケ科ではふつう茎葉が枝葉より大きいはずで、2枚目の写真の長く延びている部分は走出枝状に伸びた部分と考えました。
とりあえず大きな葉と小さな葉を並べてみました。 枝葉の中肋が葉の中部付近で消えるのは間違いなさそうです。 上の写真の大きな葉(茎葉?)は葉先が切れているので、下にもう1枚載せておきます。
葉は弱い縦じわがあり、ほぼ全縁ですが、葉先に近い部分にかすかな歯があります。 葉先は細胞が1列につながっていて、毛状と言っていいと思います。
以上の結果を基に平凡社の検索表をたどると、ケアオギヌゴケ Brachythecium piligerum に落ちました。 しかし平凡社の図鑑には、ケアオギヌゴケは検索表のみで、種別の解説はありません。 もう少し詳しく Noguchi 1991 の内容と比較しました。
上は葉身細胞です。 野口図鑑では葉身細胞は 65-85×8-9μmとなっています。 上の写真は、長さはほぼ一致しているのですが、幅は5μmほどしかありません。
上は蒴柄で、汚れがひどくて少し分かりにくいのですが、上部にはパピラがあり、下部に行くにしたがって少なくなっています。 ところが野口図鑑では蒴柄は smooth!
せっかくここまで調べたのでこのまま載せておき、識者のコメントを待ちたいと思います。 また、前にケアオギヌゴケとして載せているもの(こちら)との関係も分かりません。
アオギヌゴケの仲間は難しい・・・
(2021.1.15. 箕面公園)
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