昨日載せたキブリナギゴケと共に同定を依頼されたコケで、生育状況を示す写真はありません。 以下の観察結果からヒメコクサゴケ Isothecium subdiversiforme のようです。
上は送られてきた標本ですが、二次茎の上部と思われます。 本種の一次茎から立ち上がった二次茎の上部は、不規則に分枝し、多くの枝を出し、やや樹状になります。 枝先は上の写真のように細くなります。
枝の中部の葉の長さは2mm前後です。
葉は卵形~卵状楕円形で鋭頭です(上の写真)。 葉の中央部は凹んでいますので、縁にピントを合わせると中央部はボケます。
葉先の縁にはやや大きな不規則な歯があります(上の写真)。
上は中肋にピントを合わせています。 中肋は1本で、葉の中部以上に達しますが、しばしば途中で枝を出したり、上の写真のように上部で何本かに分かれたりします。
翼部の細胞は濃緑色の区画をつくっています(上の写真)。
上は翼部の拡大です。 翼部は葉身細胞より短く幅広い細胞からなっています。
上は葉身細胞で、長さは 25~40μmです。
◎ ヒメコクサゴケはこちらにも載せています。 またこちらには蒴の様子を載せています。
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