北海道・苫小牧市の標高約100mに育っていたミズゴケを送っていただき、調べたところ、フナガタミズゴケ(別名 クシノハミズゴケ) Sphagnum imbricatum のようです。 上は育っていた様子です。
大型のミズゴケですが、茎は細く、枝もややまばらです。 茎は黒褐色です。 開出枝は太く、下垂枝は細く、茎に張り付いています。
【枝葉】
枝葉はボート状に深く凹み、先端は僧帽状になっています(上の写真)。
上は枝葉の先端付近を背面から撮っていますが、小歯状の突起がたくさんあります。
上は枝葉のほぼ中央を背面から撮っています。 葉緑細胞の表面に櫛の歯状の突起が確認できます。
上は枝葉の断面で、写真上方が腹面です。 葉緑細胞は正三角形に近く、腹面に広く開いています。 下はもう少し拡大率を上げています。
葉緑細胞と透明細胞との接合部に櫛の歯状の突起が0~数個あります。 これが本種の大きな特徴でしょう。
【茎葉】
茎葉は舌形で、舷はありません(上の写真)。 下は上の赤い四角で囲った部分の拡大です。
茎葉の葉縁は裂けていますが、特に葉の上部は、上のように総状に細かく裂けています。
【茎】
上は茎の横断面です。 表皮細胞は3~5層です。
上は茎の表面で、表皮細胞に螺旋状の肥厚が見られます。 下は上と同じ所ですが、少しピントをずらすと・・・
各細胞に2~3個の孔が見られます。
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