岩上に育っていた写真のコケ、以下の観察結果から、キシッポゴケ Arctoa fulvella だと思います。
若い蒴と古い蒴が共存していました。 葉は長さ3cm前後、蒴柄の長さも3mmほどです。
葉は幅広い鞘部から細く針状に伸び、中上部はほぼ中肋のみで構成されています。 翼部は明瞭です。 なお、上の写真は葉先まで写っていません。
上は葉先です。
葉縁に舷は無く、細かい歯があります。 下は上とほぼ同じ位置の葉の横断面です。
中肋にガイドセルはありますが、ステライドは不明瞭です。
翼部の細胞は大きく、矩形です。
雌苞葉の鞘部は長く、蒴柄を抱いています。 上はまだ若い蒴ですが、帽は平滑で、下端に毛はありません。
上は古い蒴を斜め上から撮っています。 蒴の径は 0.5mmほど、高さは1mmほどです。 蒴歯16本のうち3本は折れています。 内部にはまだたくさんの胞子が残っているようです。
蒴歯の先は不規則に裂け、中部には蒴歯の中央に孔があります。 胞子の径は 17~23μmです。
(2021.10.7. 北八ヶ岳)
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