たくさんの蒴をつけたコケ群落、カモジゴケ Dicranum scoparium だと思います。
上は乾いた状態で、葉は1方向に鎌形に曲がっています。 蒴柄は赤褐色です。
葉は密について、長さは7~10mm、葉先は細く尖っています。
茎の上部まで仮根がついています。 上部の(=新しい)仮根は白っぽいのですが、次第に褐色になっていくようです。
上は葉の上部を背面から見ています。 葉身上部の細胞の様子はこちらに載せていますので、今回は省きます。
葉身上半部の縁(上の写真ではぼやけています)には歯があります。 葉の上部の中肋には2~4列の鋭歯のある低い薄板があり、上の写真はその薄板にピントを合わせています。
下は上とほぼ同じ位置の葉の横断面です。
写真右側の葉身部が斜めになって見難くなっていますが、中肋の薄板が出っ張りとして確認できます。
葉身部の細胞は1層で表面は平らです。
上は葉身中部の細胞です。 膜はやや厚く、くびれが見られます。
上は葉身下部の細胞です。 細胞は長くなり、くびれも多くなっています。
下は上とほぼ同じ位置の葉の横断面(中肋付近)です。
中肋背面に薄板はありません。 ガイドセルがあり、ステライドは明瞭です。
上は葉の基部です。 翼細胞は大きくて褐色です。
上は蒴です。 帽は僧帽形で、蓋には長い嘴があります。 蒴歯は1列で、蒴歯の先が糸状に細くなっています。 写真の右下では、その糸状の蒴歯の先がくっつきあって突き出ているため、外蒴歯の中央から内蒴歯が出ているように見えています。
上は蒴歯です。 蒴歯は中部まで2裂し、上半部には小さなパピラがぎっしりとついています。
上は蒴壁の気孔です(青い円で囲んだ所)。
(2021.10.7. 北八ヶ岳)
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