石垣に育っているコケが美しく色づいていました。
上は湿った状態ですが、葉は茎にくっついています。 葉の長さは3mmほどあります。 上の写真でも茎の上部で葉の内側が少し黒ずんでいます。 この部分の葉を取り去り、葉に隠されていた所を撮ったのが下です。
黒ずんた所には細い棒状の無性芽がたくさんついていました。
上は無性芽の顕微鏡写真です。
葉は卵状披針形で、中肋は葉先から短く突出しています。 上の写真で葉縁が色濃くなっていますが、調べると舷があり、反曲していました。
葉身細胞は菱形~六角形で、40~60μmの長さです。
乾くと上の写真のように縮れました。
さて、このコケですが、葉や細胞の様子から、ハリガネゴケ科の、たぶん Bryum(ハリガネゴケ属)だと思います。 平凡社の図鑑にはハリガネゴケ属は 25種載っていて、上の写真のような葉形の種もたくさんあるのですが、平凡社の検索表も蒴が無いと使えません。 ということで、私の力では同定できないのですが、とりあえず「?」付きで、比較的よく見られるオオハリガネゴケ Bryum pseudotriquetrum の、寒さか水不足か、何らかの原因で枯れかけていて葉を広げるだけの元気がなくなった姿としておきたいと思います。
(2021.10.6. 長野県 蓼科)
◎ オオハリガネゴケはこちらやこちらにも載せています。
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