2021-11-02

ウスキシメリゴケ

 上の写真の不規則に分枝しているコケ、全体の様子や生育環境からヤナギゴケ科だろうと予想し、平凡社の図鑑で検索すると、ウスキシメリゴケ Hygrohypnum ochraceum に落ちました。 野口で見ても、ほぼ一致しているようです。 平凡社によれば、分布は北海道~本州で、蒴はめったにつけないようです。
 茎葉と枝葉で違いはほとんど見られませんでした。

 育っていたのは渓流脇の水を被る岩上(上の写真)で、アオハイゴケと混生していました。

 葉は広披針形~卵形で、1.5~2mmの長さです。

 枝の基部には小葉状の偽毛葉があります。 上は偽毛葉を覆い隠す葉を取り除いて撮っていますが、まだ分かりにくいので・・・

 上は枝を茎から外して枝の基部を撮っています。

 上は葉です。 中肋は強壮で葉の中部に達し、しばしば上の写真のように途中で2本に分かれます。 葉の基部には、やや大きくて透明な翼細胞があります。

 葉先は他の葉身細胞より短い細胞からなっています。

 上は葉身細胞です。

 上は茎の断面で、1層の大きくて薄壁の表皮細胞があります。 表皮細胞は、表面から見ると黒褐色に見える上のような古い茎では、わずかしか残っていませんが、下のような緑色の若い茎では、比較的多く残っていました。

(2021.10.6. 長野県 蓼科)

0 件のコメント: