樹幹の黄緑色のクッション状の群落、カギカモジゴケ Dicranum hamulosum だと思います。
上は乾いた状態で、葉は縮れて巻いています。 枝分かれはほとんどありません。
湿った状態でも、葉はゆるく鎌状に曲がっています(上の写真)。 葉の長さは5~6.5mmです。
茎のかなり上まで、上の写真のような薄茶色の仮根があります。
上は葉の基部です。 葉はやや溝状になっていて、カバーグラスで押さえると、中肋に沿って割れ目が入ってしまいましたが、このように裂けやすい性質は葉の上部まで続いています。 翼部はよく分化しています。
上は葉の先端付近で、対になった歯が並んでいます。 中肋は葉先に届いていません。 写真の左下で中肋は葉の幅のほぼ1/3を占めています。
上は葉先から1/3ほどの所でねじれている様子を撮った写真ですが、葉縁にも中肋背面にも対になった歯(分かり易い所を赤い円で囲みました)が見られます。
上は葉の基部から1/6ほどの所の葉身細胞です。 このあたりでは長い方形ですが、葉先に近づくにつれて次第に短くなり、矩形~菱形になっていきますが、細胞の幅はほとんど変わりません。
上は、①は葉先から1/5ほどの、②は葉先から2/5ほどの所の葉の横断面で、③は葉のほぼ中央の横断面です。 ①や②では背面に背の高いパピラのある細胞が点在しています。
中肋はガイドセルがあり、ステライドは明瞭です。
蒴は直立し、相称です(上の写真)。 湿らせると蒴歯が閉じてしまいました。
上は蒴歯です。 蒴歯は1列で、上部はパピラに覆われています。
蒴歯は基部近くまで2裂しています。
(2021.10.7. 北八ヶ岳)
◎ カギカモジゴケはこちらにも載せています。
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