2022-09-01

ヒモカズラ


 写真は小葉類のイワヒバ科に分類されているヒモカズラ Selaginella shakotanensis でしょう。 札幌市にある定山渓温泉の渓流脇の岩上に、シモフリゴケの仲間(まだ調べていません)に混じって育っていました(2022.8.25.撮影)。

 上は乾いた状態で、葉を含めた枝の幅は1mmほどです。
 上の写真で緑の葉に注目すると、①~②の枝には葉は螺旋状に多列についていますが、④の枝の葉は少し大きく、4列に並んでいます。 ③の枝では、下部は多列に、上部は4列になっています。
 じつは4列になっているのは胞子葉で、その内側に胞子のうをつけています。 写真からわかるように、それらが集まった胞子のう穂は、枝先に形成されます。

 この仲間の胞子のうには、大胞子を入れる大胞子のうと、小胞子を入れる小胞子のうの2種類があります。

 上は胞子葉を取り除いて胞子のうが見えるようにした写真です。 ①~③の全てが小胞子のうで、①はまだ開裂していない状態、②は小胞子を散布している状態、③は胞子の散布を終えて空になった小胞子のうです。

 上の写真中央が大胞子のうです。 大胞子のうは小胞子のうと同じ胞子のう穂につきますが、数は少なく、多くの場合は胞子のう穂の下方につくのですが、上の写真ではほぼ中央についています。 大胞子のうには4個の大胞子が入っています。

 胞子葉と栄養葉とは、大きさは少し異なりますが、つくりはよく似ています。 上の写真で確認しておきますと、葉縁にはまばらに縁毛があり、葉の先端には葉の長さの 1/5ほどの白色毛状の付属物があります。 背面には1条の溝が縦に通っています。

 上は葉の断面です。 中央に1本の葉脈が走っています。

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