2022-09-28

ツブツブヘチマゴケ

 写真はツブツブヘチマゴケ Pohlia drummondii でしょう。 無性芽をつけています。
 秋山ら(下記参考文献)によれば、報告は少ないものの、日本の冷温帯に広く分布しているようです。

 葉腋の無性芽は必ず単生です。 無性芽の色は若い時は薄緑色で、次第に赤みを帯びはじめて・・・


 黒みを帯びた赤色の塊茎状の無性芽になります。

 上は無性芽を横から見ていて、左下が基部になります。 無性芽は実体双眼で撮るには小さすぎ、光学顕微鏡で撮るには厚すぎて真っ黒になってしまいますので、上のようなぼやけた写真が精一杯です。
 無性芽の鱗片状の葉(じつは葉原基)は無性芽の中央より基部側にもついています。 このことがマルミノヘチマゴケの無性芽との良い識別点になります。


 葉は披針形で長さ 1.5~2cm、基部は下延しています。 葉先が少し鎌状に曲がる傾向があるようです。

 葉先近くの葉縁には鋸歯があります。 中肋は葉先に終わっています。

 上は葉の基部です。 中下部の葉縁は外曲する傾向にあるようです。

 上は葉の中央の葉身細胞です。

(2022.9.4. 北八ヶ岳)

【参考文献】
秋山弘之・山口富美夫:無性芽を有するヘチマゴケ属(ハリガネゴケ科,蘚類)の研究1.日本産キヘチマゴケとその近縁種の再検討.蘚苔類研究9(9).2008

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