2022-09-07

ナガミチョウチンゴケ


 北海道・手稲山中腹の樹幹基部で育っていた写真のコケ(2022.8.24.撮影)、これまで見たことのないコケで、ナガミチョウチンゴケ Aulacomnium heterostichum と教えていただきました。 分布は、平凡社によれば北海道と本州の中国地方以北となっています。
 長い蒴と葉のしわが目立ちます。 葉は扁平についています。

 胞子体は頂生し、蒴は3~4mm、蒴柄の長さは平凡社では6~15mmとなっています。

 葉は卵形~長卵形で、長さは2~3mmです。

 上は手前の葉を取り除き、茎が見えるようにしています。 茎の上部まで、びっしりと仮根に覆われています。



 葉先は円頭~広く尖っています。 葉縁は中下部では平坦で、上部には明瞭な歯があります。 中肋は葉先近くに達しています。

 葉身細胞は丸みがあり、長さも幅も8~13μm、厚角です。 平凡社では中央に1個のパビラがあると書かれていますが、上の写真ではパビラはよく分かりません。

 蒴は円筒形で傾き、やや曲がり、乾くと上の写真のように縦じわができます。 頸部にはいぼ状の膨らみがあります。 蒴歯は2列です。

 上は蒴歯です。 内蒴歯の基礎膜は高く、歯突起は外蒴歯とほぼ同じ高さで、間毛は3~4本です。

 上は蒴の頸部(左)と壺(右)の境付近を撮っています。 頸部のいぼ状の膨らみの頂には気孔があります。 下はその気孔の拡大です。


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