セイヨウタンポポの花に口吻を伸ばしている上の写真のミツバチ科の蜂、キオビツヤハナバチ(以下、キオビ)かヤマトツヤハナバチ(以下、ヤマト)のどちらかのオスと思われます。 昨年もメスと思われるものについて書きましたが(こちら)、両者は外見上は同種内の個体差の方が大きいほど酷似しています。 海浜や河原などの開けた場所ではキオビが、山間部ではヤマトが優占しているらしいのですが、里山の復元をめざしている「堺自然ふれあいの森」という丘陵地の小さな川の近くにある小さな原っぱに来ているのはどちらなのか、フィールドでいくら撮っても埒(らち)が明かないようなので、拉致してじっくり撮ることにしました(4月4日)。 冷蔵庫で冷やして動きを鈍らせての撮影です。
この個体の体長は 6.5mm |
体に付いている黄色い粒々は花粉です。 まずはミツバチ科の特徴の確認から。
幅広い上唇 |
( 頭部を下面 (腹側) から撮影 ) |
上のような口器を持つのはミツバチ科です。
ミツバチ科のうち、上のような翅脈と大きな縁紋を持つのはツヤハナバチ属です。
以下、キオビかヤマトかですが、オスに見られる違いとして・・・
後脚腿節基部下面に長毛房(上の写真の赤い円内)があります。 ヤマトのオスにはこのような長毛房は見られません。
腹部第6腹板先端の葉状片は深く切れ込み、先が小さく屈曲した1対の牙状突起(上の写真の赤い矢印)があります。 ヤマトの腹部第6腹板先端の葉状片の付け根には、一対の太く短い突起と、その間に小突起があります。
これでキオビツヤハナバチのオスに決まりです。 最後にスキンシップで(私の指の上で)モデルに感謝し、お別れしました。
2 件のコメント:
素晴らしい。
やる事無いくらい。
こんなにキッチリした写真を載せてあるのは初めてではないでしょうか。
先を越されちゃった・・・・・・チョット悔しかったりして。(笑)
うすのきさんのように全てを生態写真で説明できる能力が私にはありませんし、生気の感じられない標本の写真を撮る気もありませんので、“スタジオ”撮影にしてみました。
ハチとフレンドリーな関係で楽しく撮影できたので、ヒメハナバチやコハナバチなどでもやってみたいと思います。
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