2/28~3/3に鹿児島県と宮崎県を回ってきました。 町はずれや自然公園などのあちこちで雄器托をつけているトサノゼニゴケ(トサゼニゴケ) Marchantia papillata ssp. grossibarba をみかけました。 雌器托が伸び出すのはもう少し先になるのかもしれません。
大阪付近ではあまり見かけることのない本種ですが、平凡社の図鑑では分布が福島県以南となっているように、ゼニゴケより暖地性であることが実感できました。
上の写真にはいろいろな成長段階の雄器托と、写真中央には無性芽器(杯状体)も写っています。 白い点は気室孔です。
上は葉状体を腹面から撮っています。 腹鱗片は三日月形で、腹鱗片の付属物(赤い円で囲った部分)は鋭頭、縁に鋸歯があります。(腹鱗片やその付属物は、生殖に関する組織・器官が見当たらない時期の葉状苔類を見分ける時に、とても役立ちます。)
上は葉状体の横断面です。 よく分かる気室孔2カ所を赤い矢印で示しました。 気泡と混じって分かりにくくなっていますが、柔組織(髄質)にある色の濃い所が油体細胞です。 腹面には腹鱗片が張り付いています。
上は気室孔の断面です。 気室孔につながる気室には、葉緑体に富んた細胞が連なる同化糸があります。
次回は雄器托をもう少し詳しく観察する予定です。
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