2021-03-14

シゲリケビラゴケ(雄株)

 宮崎県と鹿児島県の旅行(2月28日~3月3日)で、あちこちでシゲリケビラゴケ Radula javanica を見ました。 植物体は黄緑色、分布は紀伊半島、四国、九州の太平洋沿岸で、内陸部に向かうほど少なくなるようです。


 上の2枚は大隅半島の岩上で育っていた本種です(3月1日撮影)。 2枚目は腹面から撮っています。 本種は雌雄異株ですが、生殖器は確認できませんでした。


 上の2枚は日南市(宮崎県)の樹幹についていた本種です(3月3日撮影)。 こちらはたくさんの雄花序をつけています。

 上は腹面から撮っています。 腹片は方形、背片は長卵形で強く鎌状に下方に曲がり、キールと茎の成す角度は小さく、45°~50°の場合が多いようです。

 上は雄花序です。 背片と腹片の長さがほぼ同じになって袋状に変化し、雄苞葉となっています。時期的に造精器は残っていませんでした。

 上の2枚の写真の赤い円で囲った所では、キールの付近から裂けて背片を落とし、茎と腹片だけになっています。 このように背片が落ちやすいのも特徴の1つです。

 なお、本種は変化の激しい種で日本には2型が知られています。 ここに載せているのとは別の型では、背片は狭卵形で下方へ曲がらず、腹片は斜方形~菱形で茎に対して斜めに着き、葉はほとんど落ちないとのことです(山田1966:自然環境科学研究9)。

 上は葉身細胞で、小さなトリゴンがあります。

 上は茎の断面で、皮層細胞の細胞壁の厚さは内部の細胞のそれとは変わりません(薄壁です)。 ちなみに、上の写真では葉の断面も見えていますが、葉の表面は平滑です。

◎ 本種の雌株の様子はこちらに載せています。


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