芹沢ら(2000)は、これまでオニタビラコとされていた植物を、アカオニタビラコとアオオニタビラコの2つの亜種に分けています。
背景が写りすぎていて少し見難いのですが、下はアカオニタビラコ Youngia japonica subsp. elstonii でしょう(2015.4.28.大和葛城山麓)。
標準的な(?)アカオニタビラコは、直立する花茎は1本で太く、上部に行くほど小さくなる茎葉をつけ、茎や葉は紫色を帯び、茎に毛が密生しています。
アカオニタビラコは2年草、つまり前年の秋に発芽して冬を越して春に花をつけますから、花期は4~5月に限られます。 また、下に書くアオオニタビラコに比べると、やや自然度の高い環境に多く見られる傾向にあるようです。
一方、アオオニタビラコ Youngia japonica subsp. japonica の花茎や葉はあまり紫色を帯びることがなく、花茎は基部で枝分かれし、茎葉はあまりつきません。 アカオニタビラコに比較して、攪乱された所に多く見られるようです。 また、アオオニタビラコは多年草ですから、地下部が発達しています。
上の2枚の写真のものも他の植物と混生していて少し見難いのですが、アオオニタビラコだと思います(2015.4.27.堺自然ふれあいの森)。 花茎の基部に色がついているのが気になりますが・・・。
最初の2枚の写真と後の2枚の写真を比較すると、花や葉形はよく似ていても、異なる植物だと思えてきます。 しかし、アカオニタビラコにも花茎が何本か出るタイプもありますし、アオオニタビラコにも茎に葉をつけるものがあり、両者の区別が難しい場合もあるようですし、遺伝的に両者の混じったものもあるとのことです。
3 件のコメント:
よくわかる解説で感心しました。
アカオニとアオオニを同定したくネットで検索したら、そよ風さんのページにたどり着きました。10年以上前ですが、自然史博の評議員をしてました。そよ風さんのお名前は知っていましたが、お会いしたことはあったかどうか…とっても素敵なブログですね。写真がすばらしいです。FacebookでU原さんやk合さんと交流しています。また、いろいろ教えてください。
私が評議員をしていたのは2000年までですから、その後でしょうか。
私もFacebookもしていますから覗いてみてください。
といっても、書き込んでいるのは主にグループ「苔に癒されて」ですが・・・
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