2015-12-13

イトゴケ


 写真は枝に絡み垂れ下がる緑の糸のようなイトゴケ( Barbella pendulla )です。 本州中部以西の分布です。


 胞子体をつけているものがありました。 上の写真のイトゴケは、1枚目の写真とは同じ谷の別の場所のものですが、どちらもイトゴケであることは、下に書く葉の細胞の様子で確認してあります。


 葉は細長く、先は糸状に細くなっています。 中肋はほぼ葉の中央部まで伸びています。


 上は顕微鏡で葉の細胞を撮ったものですが、ねじれた葉の一部を見ていますので、葉の表面を斜めに見ていることになります。 細胞の一部が小さく盛り上がっていますが、このような細胞表面にある微突起をパピラと呼んでいます。 イトゴケの細胞では、上の写真のように、2~4個のパピラが一列に並びます。
 イトゴケと同じ属のキヨスミイトゴケは、肉眼的にはほとんどイトゴケと区別できませんが、細胞の中央に1個のパピラがあるだけです。

(2015.12.9. 京都市 西芳寺川)

◎ イトゴケはこちらにも載せています。