写真は地衣類のヘリトリゴケ(
Porpidia albocaerulescens )でしょう。 岩の表面に育っていました。 上の写真はその岩が全く写っておらず、ヘリトリゴケとの関係が分かりにくいものになってしまいましたが、平らに見える部分が地衣体で、いびつな円形のものが子器盤です。 この子器盤には胞子ができる子嚢(顕微鏡レベルです)がむき出しに並んでいます(裸子器)。
「ヘリトリゴケ」は「縁取りゴケ」で、子器の周囲が黒く縁取りしたようになっていることによるようです。 地衣類の同定には顕微鏡や化学成分の確認が必要なことが多いのですが、この種は黒い縁取りの特徴から、野外での同定が可能です。
地衣類は藻類と共生している菌類ですが、この黒い縁取りの部分は「果核」と呼ばれていて、共生藻がありません。 このような裸子器は「レキデア型」と呼ばれています。
子器は基部が地衣体に埋もれているのですが、横から見ると子器の上部が地衣体からどれほど出ているか分かります。
(2015.11.29. 大阪府泉南郡熊取町)
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