胞子を飛散させている蒴の様子など、マキノゴケの3月の様子はこちらに載せていますが、その胞子体形成の前段階となる造精器や造卵器の様子を、この12月に観察することができました。
マキノゴケ( Makinoa crispata )は雌雄異株です。 まずは雄株から。
上がマキノゴケの12月の雄株です。 葉状体の先端付近に三日月形の凹みができ、そこに雄器がたくさん作られます。 上の写真では雄器がよく発達し、凹みがほぼ埋められています。 分かり易い三日月形の凹みはこちらをどうぞ。
上の写真は雄器ができている三日月形の部分を覗き込むように斜め正面から撮ったものです。 小さな盛り上がりが複数見られますが、ここから精子が出てくるのでしょうか。
上の写真はこの三日月形の部分の断面です。 上から見ると三日月形の凹みですが、その下は大きく膨れていて、たくさんの造精器が埋めこまれています。
(以上、2015.12.2. 堺自然ふれあいの森、以下は2015.12.9. 京都市 西芳寺川)
以下は雌株の様子です。
上は雌株の葉状体を上から撮ったものです。 時間が経ってから撮ったので、少し傷んでいますが、やはり先端近くに凹みがあります。 この凹みの部分の断面を作って観察してみると・・・
たくさんの造卵器が見えました(上の写真)。
上は倍率を高くして手前の造卵器1つのみにピントが来るようにして撮ったものです。 この造卵器の中の卵細胞が受精し、胞子体へと育っていきます。
なかには上の写真のような状態の胞子体にまで育っているものもありました。