2015-12-01
アゼゴケ
上は朝露に濡れたアゼゴケ( Physcomitrium sphaericum )です。 前にヒロクチゴケの所で、アゼゴケ、ヒロクチゴケ、コツリガネゴケは同じ Physcomitrium属でよく似た形態をしていて、この順序で蒴柄の長さが長くなる旨のことを書きました。 今回、近くにヒロクチゴケもありましたので、比較のために並べてみたのが下です。 なお、ヒロクチゴケが道の脇にあったのに対し、アゼゴケは作物の作られていない畑の中や畦にありました。
上の写真は左から、古い胞子体をつけたヒロクチゴケ、若い胞子体をつけたヒロクチゴケ、アゼゴケで、同じ日に採集したものです。 付いている土の量が同じではありませんが、蒴柄の長さに注目すると、ヒロクチゴケとアゼゴケでは明らかに異なります。
上はアゼゴケです。 蒴柄の長さは3mmほどです。(右のスケールの数字の単位はmmです。)
比較のためにヒロクチゴケにもスケールを当ててみました。 上の写真のヒロクチゴケの蒴柄は5mmほどの長さがあります。
上はアゼゴケの葉の上部です。 ヒロクチゴケの葉では、中肋が葉先から短く突き出し、舷があり、ほぼ全縁であるのに対し、アゼゴケの葉では、中肋は葉先近くで終わり、ほとんど舷が無く、多くの場合は葉縁中~上部に微歯があります。
(2015.11.29. 大阪府泉南郡熊取町)
◎ アゼゴケの葉身細胞、蒴の変化、胞子の様子などはこちらに載せています。