2020-08-18
ヒメコクサゴケ
上の写真はヒメコクサゴケ Isothecium subdiversiforme だと思います。
育っていたのは上の写真のように石の上です。
二次茎は不規則に分枝しています。
上は乾いた状態で、葉は茎や枝に接していますが、湿らせてもほとんど変化しませんでした。 枝の幅は葉を含めて1~1.5mmです。 葉は重なりあっていて1枚の長さがはっきりしませんが、枝の中部の葉で2mm前後のようです。
所々から細く長く伸びた枝を出していますが、特に基物近くで多く出ているようです。 この枝も群落の拡大に使われているのだと思います。
上は葉を背面から撮っています。 葉は舟状に凹んでいますので、葉縁にピントを合わせると中央部はボケてしまいます。 中肋は葉長の1/2以上の長さで単生ですが、上の写真のように上部で不等に2叉することもあります。
葉先は鋭頭で、葉先近くの葉縁には不規則な歯があります。
翼細胞は短く、濃緑色の区画をつくっています(上の写真)。
葉身細胞は線形で、長さは 25~40μmです。
新しい胞子体が伸び出していましたが蒴歯の様子などを調べるには若すぎます。 上の写真からは、蒴は長卵形でほぼ直立していること、蒴柄が赤いことや、雌苞葉の様子などはよく分かります。
昨年の蒴は蒴歯もほとんど残っていませんでした。 上はかろうじて残っている蒴歯ですが、外蒴歯は基部から先端までパピラがあることくらいで、それ以外のことはよく分かりません。
上は伸びはじめていた若い胞子体の基部です。 周囲を保護していた雌苞葉は、1枚を残して取り去ってあります。
上は雌包葉です。
(2020.8.4. 兵庫県佐用町)