大阪市の「咲くやこの花館」や京都府立植物園などで撮った写真を使い、サガリバナについて書いてみました。
サガリバナ Barringtonia racemosa は熱帯アフリカから太平洋諸島にかけて分布する常緑高木で、日本では奄美大島以南の西南諸島に自生しています。
昼間には多くの場合、上のような長い花序を垂らした姿しか見ることができませんが、夏の夜にはたくさんの花が連日次々と咲き、周囲を芳香で満たします。 花の色は木により白とピンクがあるのですが、夜の暗闇の中に浮かび上がる白っぽい大きなたくさんの花は、なかなか見ごたえのあるもののようです。(夜に虫に来てもらうためには、においと暗闇で目立つ白さが有効です。)
上は咲き残りの花ですが、多くの花は翌日の朝にはメシベを残して散ってしまいます。 しかし、自生地は川べりで、早朝にたくさんの落花が芳香を残しながら川面いちめんに漂う様子はすばらしいようで、西表島などではカヌーでその様子を見に行くツアーも行われているほどです。
上は、植物園で撮った写真ですので、ほんの数輪ですが、水に浮かぶ落花です。
上の写真の左奥の花序は、上半分は咲いた後で、下半分はツボミです。 そして右側の褐色の卵形のものが果実です。 果実は右上隅にも写っています。 この果実は水に浮き、水の流れによって運ばれ、分布を広げます。
◎ 石垣島の庭に植えられていたサガリバナの、冬の昼間にどうにか咲こうとしている花の写真をこちらに載せています。