濡れた垂直に近い岩壁から横に張り出すように育つコケがありました。
思ったよりも枝分かれしながら大きく育っているコケでした。 葉の長さは 0.7mmほどです。
顕微鏡で観察すると、方形に近い腹片が見えます。 腹片は背片の 1/2~1/3の長さです。 背片は全縁で、鋭頭~円頭が混じっていますが、上から2枚目の写真を見ても、多くは鋭頭でしょう。
腹片の基部は茎をほとんど覆っていません。 キールは弓形に張り出しています。
背片の葉縁ではあちこちで無性芽が作られています。
葉身細胞は薄壁で、トリゴンは小さく、油体は各細胞に2~3個あります。
以上の観察結果から、このコケは、コウヤケビラゴケ
Radula kojana でしょう。 分布は平凡社の図鑑では秋田県以南となっています。
(2020.8.4. 兵庫県佐用町)
◎ コウヤケビラゴケは
こちらにも載せています。