写真はキダチミズゴケ Sphagnum compactum だと思います。 秋田県の標高1,140mあたりにある高層湿原で、木道から直下を手を伸ばして撮っていて、ピントがあまくなっています。 水から出ている部分はわずかで、その部分だけが緑色をしていました。
中形のぽっちゃりした感じのミズゴケで、上の写真は茎頂付近ですが、この下も茎が見えないほど枝が密に出ていました。
上は茎の下部についていて緑をほぼ失っている開出枝と下垂枝で、乾いた状態です。 開出枝は太く短く、枝葉は長く、2.5mm前後あります。
上は開出枝の枝葉です。 長卵形で、ボート状に深く凹んでいます。
開出枝の枝葉の先端はかなり幅広く切頭で、不規則な歯があります(上の写真)。
上は枝葉の横断面です。 葉緑細胞は楕円形で、透明細胞に囲まれて表面には出ていません。
上は枝葉を取り除いた開出枝で、透明なのは表皮細胞です。 下はこれを押し潰して平らにして撮っています(倍率は少し異なります)。
どの表皮細胞も、上に孔が開いています。 なお、これらの細胞と様子が異なるレトルト細胞は見られません。
上は茎葉です。 茎葉は三角形~楕円状三角形で、長さにはかなりの変異が見られました。 上の写真はかなり長い茎葉ですが、それでも枝葉の半分以下の長さです。
上は茎の横断面です。 表皮細胞は2~3層です。
上は茎を表面から撮っています。 表皮細胞に螺旋状の肥厚は見られません。
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