2021-08-21

コサンカクミズゴケ

 上はコサンカクミズゴケ Sphagnum recurvum var. tenue だと思います。 北半球周局地域に分布する中形のミズゴケで、日本では北海道と本州に分布します。 サンカクミズゴケやアオモリミズゴケとよく似ているのですが、違いや判断した理由は最後に書くことにします。

 上のような湿原で育っていました。

 枝葉は乾くと葉縁が波打ち、葉先は反り返ります(上の写真)。

 開出枝の葉は披針形です(上の写真)。

 上は開出枝の葉の背面です。 葉緑細胞の幅が広いのが印象的でした。

 上は開出枝の葉の横断面です。 葉緑細胞は背面に広く開いていますが、腹面にも少し開いています。

 下垂枝の葉は開出枝の葉より少し小さく、卵形です(上の写真)。

 上は下垂枝の葉の上部背面で、透明細胞の先端に大きな孔があります。 これがこの種の大きな特徴の1つです。

 上は茎葉で、正三角形に近い形をしています。

 上は茎葉の先端部で、先端の透明細胞に孔があります(上の赤い矢印)。

 上は茎の横断面です。 表皮細胞は分化せず、木質部との境は不明瞭です。

 茎の表皮細胞は矩形で、螺旋状の肥厚も孔もありません(上の写真)。

(2021.7.15. 長野県 栂池自然園)

 コサンカクミズゴケとサンカクミズゴケはアオモリミズゴケを母種とする変種とされていて、個体の変異もあることを考えると、その違いはわずかです。 ここでは以下の点に特に注目しています。
・アオモリミズゴケ:下垂枝の葉が披針形、茎の横断面で1~2層の表皮細胞の分化が見られる。
・サンカクミズゴケ:下垂枝の葉が披針形、枝葉断面で葉緑細胞は腹面には出ない。

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