2021-08-18

イボミズゴケ

 写真はイボミズゴケ Sphagnum papillosum でしょう。 秋田県・乳頭山から尾根伝いに下った標高約1,140mの雪田にありました。

 大形のミズゴケで、オオミズゴケに似ています。 上は乾いた状態で、色は白っぽくなっています。

 上は茎の頂端付近で、乾きはじめていて葉先が白っぽくなってきています。 枝葉はボート型に深く凹んでいます。

 上は押し潰さないようにして撮った枝葉です。 葉の反り返りはわずかしかありません。

 上は枝葉の葉先付近を茎側から見ています。 葉先は僧帽状になっています。

 上は枝葉の横断面で、写真の上が腹側になります。 葉緑細胞は楕円形~樽型で、背腹両側で表面に出ていますが、腹面で広く表面に出ています。 さらに倍率を上げると・・・

 葉緑細胞と接する透明細胞の側壁面に多くの細かいパピラがあります。 和名の「イボ」はこのパピラのことでしょう。
 このパビラは下の2枚の写真のように、枝葉の表面からでも観察する事ができます。

 上は枝葉のほぼ中央を背面から撮っています。

 上は枝葉のほぼ中央を腹面から撮っています。 腹面からの観察でもパピラは確認できますが、背面からの方が観察は容易です。


 上の2枚は茎葉で、2枚目は下に茎の表皮がついています。 縁に舷は無く、葉の上半部を中心に、縁は細く総状に裂けています。

 上は茎の表皮細胞です。 細いらせん状の肥厚があり、多くの細胞には1~2個の孔が見られます。

 上は茎の横断面(一部)です。 表皮細胞は3~4層です。

 上は枝の横断面です。

◎ イボミズゴケはこちらにも載せています。

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